特殊部隊に学ぶ 危機を突破する最強組織のつくり方 荒谷 卓(熊野飛鳥むすびの里代表) 伊藤祐靖(特殊戦指導者)

陸上自衛隊、海上自衛隊にそれぞれ〝特殊部隊〟を創設した荒谷卓氏と伊藤祐靖氏。死と隣り合わせの極限状態の中で任務を遂行する特殊部隊を一からつくり上げたお二人に、いかなる環境にも屈せず、危機を突破していく最強の人材、強靭な組織のつくり方、そして守るべき日本への思いを語り合っていただいた。

周りが全部反対しても、自分が本気でやろうと思い続けて行動すれば事は成る、深い闇も破っていけるというのが実感です

荒谷 卓
熊野飛鳥むすびの里代表

 私は、真に日本を守り、日本を蘇らせていくために一番大事なのは、政治をどうにかしなければいけないとかいうことではなく、一人ひとりが日本人としての生き方をしっかり実践することだと思うんです。一人ひとりの日本人が伝統的社会規範に基づいた生活を実践しているからその地域、国は日本になる。
 周りが全部反対しても、自分が本気でやろうと思い続けて行動すれば事は成る、深い闇も破っていけるというのが実感です。
この「熊野飛鳥むすびの里」の活動にしても、名古屋から特急で三時間もかかる山奥で「俺はここから日本を、世界を変える」と言っているわけだ(笑)。おそらく周りの人は「この人、何を言ってんだ」と思っているでしょうが、私は本気で信じているんですよ。

本気で取り組むことのために、それ以外のことをどれだけ捨てられたかが、生きるか死ぬか、成功と不成功を分けるのだと思います

伊藤祐靖
特殊戦指導者

 日本を蘇らせるために必要なのは、まず一人ひとりが日本をどうしたいのか、国民皆で何を目指したいのかをしっかり決めることですよ。日本は何を目指し、国民全体は何を望んでいるのかを決めない限り、日本を蘇らせる方法も語れないと思います。
 やっぱり、本気じゃなきゃ何事も成せません。あとは、本気で取り組むことのために、それ以外のことをどれだけ捨てられたかが、生きるか死ぬか、成功と不成功を分けるのだと思います。あれもこれもと言っていたら何も手に入れることはできないんです。

プロフィール

荒谷 卓

あらや・たかし――昭和34年秋田県生まれ。東京理科大学卒業後、57年陸上自衛隊に入隊。陸上幕僚幹部防衛部、防衛庁防衛政策局戦略研究室勤務の後、米国特殊作戦学校への留学を経て、帰国後に特殊作戦群初代群長となる。研究本部研究室長を最後に平成20年退官。一等陸佐。21年明治神宮武道場「至誠館」館長に就任。30年国際共生創成協会「熊野飛鳥むすびの里」創設。農、学、武を通じて日本文化社会の国内外への普及活動に取り組んでいる。著書に『戦う者たちへ』『サムライ精神を復活せよ!』『特殊部隊vs.精鋭部隊』(いずれも並木書房)などがある。

伊藤祐靖

いとう・すけやす――昭和39年東京都生まれ。日本体育大学卒業後、海上自衛隊に入隊。「みょうこう」航海長在任中の平成11年3月、能登半島沖不審船事件を体験。それを契機に、自衛隊初の特殊部隊「特別警備隊」の創設に関わる。19年2等海佐で退官。各国の警察、軍隊への指導で世界を巡り、国内では、警備会社等のアドバイザーを務める傍ら私塾を開き、現役自衛官や経営者らに自らの知識、技術、経験を伝えている。著書に『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』(文春新書)『自衛隊失格―私が特殊部隊を去った理由―』『邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき―』(共に新潮社)などがある。


編集後記

それぞれ陸上自衛隊と海上自衛隊に「特殊部隊」を創設した熊野飛鳥むすびの里代表・荒谷卓さんと、特殊戦指導者・伊藤祐靖さん。戦いの中に身を置いてきたお二人が語り合う、いかなる過酷な環境にも屈しない最強の人材・組織のつくり方、リーダーの条件には、いまのコロナ禍の闇を切り開く学びが満載です。

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